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塾長のひとこと

安倍元総理大臣の死に憶うこと

 今、日本に欠如していることは、国防意識と歴史秩序である。
 国防意識は、言うまでもなく、外国、とりわけ中国共産党が支配する大国、北面の隣国ロシア、朝鮮半島における反日独裁国家に対する国防の危機意識である。ウクライナ情勢を取り上げるまでもなく、一独立国家として、国防が国の最重要政策であることは論を俟たない。昔、笹川良一がテレビで「世界は一家、人類は兄弟」「戸締り用心火の用心」という奇妙な発言をしていた。親兄弟とて安心できないということか。理屈はさて置き、国防を担うのは、誰か。防衛省と自衛隊だけではない。警察はもとより、すべての国民である。僅かな税金を払って、自分の命を守ってくれると思うのは、甚だ厚かましい。そうかと言って、国民自ら日頃から兵器を準備することは、許されない。徴兵制を実行する必要もない。日頃から強い国防意識を持ち、朝鍛夕錬によって、強靭な体力と精神力を培うことである。兎角、国防や国家を口にすると、右寄りの思想だと批判する者が未だに少なからずいる。思想の何たるかをも知らず、その歴史をも知らず、何となく感覚でものを言うのである。自民党の保守派と言われる中にあって、安倍元総理大臣の国防に対する現実的かつ高度な意識は、光彩を放っていた。これは、安倍氏の重要な政治家としての体現によるものである。この意志を継ぐのは、一部の政治家ではなく、国民自身である。国を守らずして、己を守ることはできない。「修身斉家治国平天下」は、一体のものである。
 ところで、「防衛とか自衛とか」というぼんやりした名称を改めて、「国防省」「国防軍」とすべきである。国際的に、わが国の国防意識を示す効果もある。
 次に、社会秩序と言わず、歴史秩序と言ったのは、現在の社会の秩序だけを捉えるのではなく、わが国の古代から現在に至るまで、民が培ってきた秩序を重んじるからである。歴史秩序については、テーマ「保守(思想)とは何か」の第15回講座で話をした。常識は、その時代によって、易わる。しかし、古今東西、良識は、不易である。歴史秩序を保つためには、良識が不可欠である。これは、実践躬行の学問によって身につくものである。
 「美しい日本」美しさは、強きこと。ぶれないこと。「君子は、和して同ぜず。小人は、同じて和せず。」この意味を理解した上で、「和を以て貴しと為す」を口にすべきである。これ正に外交の極意なり。
 最後に、今回の要人警護・警備が杜撰であったことは、専門家の言によらずとも明白である。要人たる安倍氏が死亡し、SP等警察官が無傷である事実がその証しである。要人警護・警備の基本を守り、実行していれば、安倍氏の死はなかった。この状況もまたわが国の平和ボケが一因である。
 思想・信条とは無関係に、この身勝手な殺害実行犯の危険な者が生じる社会は、極めて稚拙である。橋本左内の啓発録(去稚心)に学ぶことが急務である。
令和4年7月13日 塾長 三木一之

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