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塾長のひとこと

令和元年秋季山坂達者講座・八ヶ岳登山を無事終えて

 2年前の7月連休に、久しく足を踏み入れていなかった八ヶ岳に里帰りした。そのとき、翌朝諏訪の街を車窓から眺めながら、夜行バスで行くことをこれで最後にしようと思った。もう、若くはないから。

そして、再び八ヶ岳を愉しむこととなる。当塾山坂達者講座を塾生が企画したのである。40年前、八ヶ岳の最高峰赤岳の頂上小屋で65日間アルバイトをした経験は、一生の財産となっている。大阪市内で生まれ育った私にとって、八ヶ岳が故郷である。その時の記憶は、今も鮮明に、損なうことなく心中に鎮座している。あれから40年、今年8月畑薙ダムから光岳(てかりだけ)へと縦走した。光岳が八ヶ岳と結びつくのは、人の縁である。かのアルバイトで知り合った山小屋の先輩は、光小屋の管理人を長らく勤めていて、10年前から再会を伝えていた。奇しくも、その先輩は、今年限りで管理人を終えるということであった。人の縁とは不思議なものである。

八ヶ岳でブロッケン現象を三度経験している。アルバイト期間中に一度、20年ほど前に二度。この時は圧巻であった。早朝、赤岳の天望荘の前で一度、横岳でもう一度、ここでは、3重の輪の中に自分の姿が影となって顕れていた。もう、10回以上来ただろうか。何度登っても飽きることはない。

今回の驚きは、阿弥陀岳の頂上で、カモシカが悠然と歩いている光景を間近に見たことである。人間の存在が無であるかのように、2805mの標識の前を緩やかに前進し、時折崖を眺めながら気に入った場所を物色しつつ、急な斜面の木々の中に消えて行った。カモシカが恐ろしいほどの崖を一気に降る光景を実際に見たことがある。その脚力、身体能力は、超絶である。当塾ホームページに、塾生の撮った写真をアップしている。

八ヶ岳には、私の人生が刻まれている。

平成11年8月20日作「雨も風も」  八ヶ岳  夕焼け雲にほんのり顔を赤らめて  おれたちみんなの心を和ませる  それでも一日たったら真っ白で何も見えない  雨は降るだけ降るし風も吹くだけ吹く  人のことなど知ったこっちゃない

山登りをしていると、一握りの身勝手な悪マナーと頻度の高い譲りと礼に顕れる人の心のゆとりに出くわす。悪マナーは悪マナーを伝え、良質のマナーは良質のマナーを伝える。正に、「多逢聖因」である。

「人の一生は、重き荷を負うて遠き路を行くが如し・・・」(徳川家康人生訓) 登山もまた重き荷を担いで縦走するところに妙味がある。重きを識りて分かることがある。   塾長 三木一之

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