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塾長のひとこと

令和元年5月講座のすすめ

 今週土曜日、令和元年最初の講座は、木下順庵門人五先生の一人室鳩巣に学ぶ。先月、平成最後の講座で学んだ雨森芳洲と同門である。

 昨今、交通事故等による人の死亡事件が多発している。これは、加害者の「身勝手」がその要因の一つとなっており、単に、平和故の「気の緩み」ではない。誠に、人の命を軽んじる風潮がある。

 室鳩巣が学問(朱子学)により、人の道を世に訴えた時代は、徳川五代将軍綱吉以後の安定期に入った江戸時代、赤穂浪士に象徴される元禄である。この当時、山崎闇斎の崎門学派、山鹿素行、伊藤仁斎、荻生徂徠の古学派、林羅山の林家、貝原益軒等数多くの儒学者が学問を世に広めた。乱世から治世へと移り変わり、道徳が頽廃してゆく社会に、楔を打ち込んだのである。

 加害者に対して優しく、被害者に対して厳しいとさえ言われる現代社会。原則、一人を殺害しても死刑にはならず、二人以上の殺害に対して死刑が適用され得る。老人の永らえる命と引き換えに幼い命・若い命が奪われる。そこには、「過失という名の故意」(未必の故意ではない)も存在している。

 人の命とは何であるのか。人の生きる意義とは何か。人の命を奪ってまで生きる命とは如何なるものか。室鳩巣の時代と現在とでは、インターネットによる情報を始め、生活様式、国際的社会情勢等大きく異なるが、人間の本質は同じである。今こそ、道徳の欠落により人の道を誤らぬ様、学問を伝えた賢人に学び、人の生きる意義を求めん。                                                   塾長 三木一之

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