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去稚心(稚心を去る)― 警察官射殺事件

 19歳の警察官が職務上貸与されている拳銃で、上司の41歳の警察官を射殺した。これは、単に殺人者の特殊性の問題ではない。この事件を聞いて、「あり得ない」と口にした人は少なくないであろう。果たしてそうであろうか。否、最も恐れていたことが現実となった。今の日本は、平和を謳歌している。世界一の長寿国がそれを証明している。これほど平和にもかかわらず、どうして、この様な卑劣な事件が起こるのか。全く無防備な人間を、社会秩序を守るための道具を凶器に転じ、自己の感情によって、殺人を実行した。この殺人者は、結果的に、警察官を殺すために警察官になった、と言わざるを得ない。殺された警察官の口から何も話を聞くことができない。聞こえるのは、身勝手な殺人者の言い訳だけである。この事件は、平和な日本に起った重大な社会問題であり、人間の本質に内在する大きな問題である。この殺人者は、教育を受けた者である。この事件は、警察だけの問題ではない。国民一人一人が人間として、深く考えなければならない。日本はこの様な事件が起こるところまで来ていることを、国民が自覚しなければならない。誰もが、この事件の起こった様々な要因と向き合う必要がある。この事件を一過性のものと捉え、警察内部だけで収めようとするならば、これからもかつてない恐るべきことが引き起こされるに違いない。

 この歪んだ社会の要因として考えられることは、こうであろう。行き過ぎた個人主義。少子高齢化。責任ある立場の者が責任を負わない。法律を保身の道具にのみ使用している。老害を気付かぬ老人の過多。子離れ親離れ出来ぬ親子の増殖。子供じみた壮年男性。表面的な教育。悪平等・不公平に立脚した公平なる制度。物質支配主義。等々。

 今こそ、橋本景岳の「去稚心(稚心を去る)」に学ぶことの必要性を痛感する。

平成30年4月17日  塾長 三木一之

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