1. HOME
  2. ブログ
  3. 塾長のひとこと
  4. 大峰登山

塾のブログ

BLOG

塾長のひとこと

大峰登山

当塾初の登山一泊二日テント泊、予想外の展開となりましたが、事故もなく無事下山することができました。この時期の大峰(2000m弱の山)にしては、気温湿度とも低く、身体への負担は少なく、時折爽やかな風が若葉青いの香とともに心地よさを齎してくれました。真っ黒な舞茸のようなキノコが山道の地面にへばり付いていたのがとても気になったので、調べたところ、カラスタケでした。登山には、軽装ではなく、ずっしりと荷の重量を感じるザックを背負うのが似合っています。それは、山との一体感を味わえるから。頂上に到達したときの達成感よりも、自分が健康であること、体力と気力が十分にあることへの喜びです。

大峰は、日本有数の霊山で、弥山の頂上に鎮座する弥山神社、天河神社奥宮に拝礼すると、平地とは異なる神々しさに包まれます。昔の神社は、きっとこの様に素朴な姿であったのだろうと思います。山の向こうには、所々に綾なす落陽の光りが神秘さを増幅しており、その景観が脳裏に焼き付いています。

お山は偉大です。お山の前では、人間の存在は無に等しい。お山に対して、常に畏怖心を持っていなければなりません。もちろん、登山道の整備があればこそ、登山者は、無事登山を楽しむことができるのですから、その整備に従事されている方への感謝を忘れてはいけません。

今回の山行は、来月南アルプス聖岳・光岳の縦走の予行演習でありましたが、塾生にとっては、初めてのテント泊体験から様々なことを学んだと思います。

当塾は、机に向って、知識を身につけるだけであることを良しとせず、自然に触れることによって、学ぶことも重要であると思料します。とりわけ、学問をしつつ、偉大なるお山に登ることで、感性がより磨かれるのです。当塾の登山の目的は、その感性を高めることにあります。便利な道具で満たされている生活を日々送っていると、寝食が当り前になって、感謝が欠乏します。そうすると、感性は鈍り、錆び付いてしまいます。それでは、古学を幾ら学んでも身に付きません。学問が自分の血となり肉となるためには、常に感性を磨かなければなりません。

山高ければ、谷深し。当り前のことですが、実感すると、妙味があります。

  • コメント ( 0 )

  • トラックバックは利用できません。

  1. この記事へのコメントはありません。

関連記事