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塾長のひとこと

第3回山坂達者講座無事終了

 8月から始まった当塾の山坂達者講座、8月大峰(弥山岳)、9月(北比良縦走)、そして、今月7日から10日まで、北アルプスの燕岳・大天井岳・槍沢テント泊縦走を行い、無事下山した。今年は、台風が日本列島を直撃することが多く、登山者にとっては、実に計画の立て難い年である。当初、6日から9日の予定であったが、台風と伴に、東へ向かうことになるため、急遽日程を1日ずらせた。その甲斐あって、3日間とも快晴で、2日目、3日目とも雲海と御来光を目に焼き付けることができた。この講座では、最低17kgのザックを担いでテント泊縦走することを基本としている。登山を楽しむというより、登山から多くのことを学び、自然の恵みに感謝するとともに、自分自身に負荷をかけることによって、他では得ることの出来ない壮大な感動を心魂で享受することを一義としている。中房温泉から燕岳への合戦尾根や表銀座から大天井岳への上りでは、ザックの重みを感じさせてくれるので、塾生にとっては、良い鍛錬になったと思う。自然と向き合うことなく、体力を養わずして、真の学問を行うことはできず、机上の空論でしかない。それらは、実学にとって不可欠なことである。

 3日目、朝日で赤く染まった槍ヶ岳は、一段とその存在感を増していた。下山途中、槍沢の紅葉を見ていると、自然は、個性を個性で打ち消すことがないことを痛感した。山の斜面に見える、紅葉、黄葉、緑葉の木々、白く光る滝、いずれもその存在を顕示している。しかし、お互いの個性を決して邪魔することなく、その領域の大小にかかわらず一様に個性を存分に発揮している。その姿は、見事に調和している。人間は、どうしてこの自然の如く生きることができないのだろうか。自分の個性は強調するが、他者の個性を疎ましく遠ざける者は少なくない。恰も個性が見えないことが処世術かの如く振舞うことも散見される。果ては、個性がないことが個性であると嘯く。抑も私の言う個性とは、表面的なものではなく、磨かれた感性から発せられるものである。そして、自然によって、感性はさらに磨かれる。お山は偉大である。お山に対する尊崇の念と畏怖心を胸中深く蔵することが当塾の山坂達者講座の基本理念である。

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