平成29年の講座を振り返る
「大川周明」をきっかけに、「東京裁判」から始めた講座内容を3月から「翌年、明治維新150年」を念頭に置き、【明治】に学ぶことに転換しました。「日露戦争」から「明治維新」へと、結果から原因を考察する方法を取るため、敢えて時を遡って学びました。【明治】を学ばなければ、大東亜戦争を理解することができない。その確信を得ました。単に、昭和の戦争と明治の戦争を比較するだけでは、「何故、戦争は起こるのか?」の問いに答えることはできません。また、【明治】を理解しなければ、現在の【日本及び日本人】を日本人自ら理解することができません。それは、正に【明治維新150年】に学ぶことでもあります。時は繋がっています。過去現在未来は間断なく続き、未来は現在となり、現在は過去となります。常に、三者は一体のものです。とりわけ、【日本及び日本人】にとって、幕末、明治は大転換期であります。その明治維新を生んだ要因は、幕末よりもずっと遡ります。そこには、歴史的背景、思想、命を賭した活動等様々な要因が存在します。この一年間の講座で、その一端を探求することができたと思います。去稚敬天塾は、知識を得ることが目的ではなく、歴史の学術的研究を行う場でもありません。人間として成長することが目的であり、良い感性を大切にし、その感性をさらに磨くことを第一義としています。良い感性とは、心が響く、その響く心を持っていることです。知識は、そのための大切な道具です。それ故、正しい知識を得ることは重要なことです。正しい知識を得るためには、修養が不可欠です。図書館に足繁く通い読書をしても、感性を磨かれなければ、上手く受信することはできません。つまり、知識と感性と修養は、一体のものです。これ正に、【王陽明】の【知行合一】です。思想もまた活動によって思想となります。右や左の旦那様の時代は過ぎ、しっかりとした自らの生きた思想を持つことが、これからの時代に生きる者には必要不可欠です。去稚敬天塾は自らも成長、進化するために、発信し、活動を続けて行きます。
去稚敬天塾 塾長 三木一之