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第三十七回講座 渋沢栄一と水戸学、そして明治維新 -副題 藤田東湖に見る尊王攘夷-

大阪市立総合生涯学習センター 大阪駅前第2ビル5階 第4会議室
2020年10月16日 13時30分~16時30分
講師:塾長 三木一之


水戸学は、前期の水戸藩第二代藩主徳川光圀「大日本史」編纂及び後期の水戸藩第九代藩主徳川斉昭「尊王攘夷」思想に基づく学問である。
「大日本史」編纂局の「彰考館」の役割は、儒教的歴史学であり、武家政権の成立の解明書及び尊王敬幕の主張にある。そして、徳川斉昭による「弘道館」(藩校)は、道を世に弘めることを目的としており、忠孝二つ無し(忠と孝とは根本において一である。)、文武岐かたれず(文武合併)、学問事業その効を殊にせず、敬神崇儒(神儒一致)は、水戸学思想の本質である。「弘道館」の命名は、「子曰く、人は能く道を弘む。道、人を弘むるに非ず。(論語)」によるものであり、若かりし頃の渋沢栄一は、水戸藩士とも交流があり、少なからずその影響を受けた。
徳川斉昭が絶大なる信頼を寄せていた藤田東湖は、「知の巨人」であったが、後年、2年8か月に及ぶ幽因生活で「若い頃は、一徹、他を顧慮せず、誰に対しても憚らず、表裏のない潔い行動を以て、自己の主義主張に絶対的自信をもち、突っ走った結果、数多くの敵を作った。」と反省している。
とは言え、明治維新は、稀有な篤実、実践窮行な学者藤田東湖を始めとする尊王攘夷の志士の命を土台に成り立っていると言っても、過言ではない。

【参考文献】
水戸学/日本思想大系53/1973年4月28日発行
水戸学と明治維新/歴史文化ライブラリー150/平成15年3月1日発行
人物叢書 藤田東湖/鈴木暎一著/平成10年1月1日発行

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