第三十二回講座 第一部 佐藤一斎四十年の集大成「言志四録」を読む
大阪市立阿倍野市民学習センター あべのベルタ3階 第1会議室
2020年1月18日 10時00分~12時00分
講師:塾長 三木一之
― 世は、平和な江戸文化爛熟の時代から幕末黒船来航の時代へと移り変わる。―
佐藤一斎は、朱子学者であったが、陽明学を重んじていた。「言志四録」は、言志録(一斎42歳から約10年間に記録)・言志後録(一斎57歳から約10年間)・言志晩録(一斎67歳から約10年間)・言志耋録(てつろく、一斎80歳から約2年間)からなり、人生訓、処世訓として、今なお世の人々に指針を与えている書物であり、それは、単に文字を並べ、中国古典を講釈したものではなく、正に、活きた学問である。それ故、暗記しても何等意味なく、行間をも読みつつ、実社会に照らし、心で感得して始めてその意味が分かり、身に付くのである。では、何故、学問が必要か!「少にして学べば、則ち壮にして為すこと有り。壮にして学べば、則ち老いて衰えず。老いて学べば、則ち死して朽ちず。」(言志晩録)それは、人として生きることの証である。