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活動の紹介

座学

第二十五回講座 もう一つの武士道 ―室鳩巣【明君家訓】に学ぶ―

大阪市立総合生涯学習センター 大阪駅前第2ビル5階 第5会議室
2019年5月18日 13時30分~16時30分
講師:塾長 三木一之

 3月講座「葉隠」山本常朝と異なり、儒学者が論じた武士道であり、江戸時代中期の治世なるが故に、武士道の理論化が必要であった。室鳩巣(むろきゅうそう)が著した「明君家訓」は、諫言(家臣による君主への諫言)、学問、孝行、節義の嗜み、名分、風俗、人材、寄合、武備、孝と忠(忠が孝より優先する)、衣装、家の造り・装い、美術品について、具体的にその心得を説いている。諫言では、取次ぎの者が少しでも遠回しに言論を変えることは不届きである旨を述べており、この考えが徳川吉宗の「目安箱」の設置に繋がった。また、学問の誤った在り方について批判している。「己が才知に誇り、名利(みょうり)の欲深く、人の言うことを無学だと批判し、書籍を読み、少し文字を知り、古事等所々覚えているので、人を侮り己を奢(おご)り、他者から才智有り文芸あれば、能力ある士と見えるが、仁義の心なく、これ偏に盗人の振舞である。」「学問は、人の道、人として生まれ、これを知らず、実行しなければ、偏に禽獣に等しい。」武士もまた人であるから、人としての基本が根底にあることを述べている。誠に、学問とは深奥なるものである。

 

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