第十九回 講座 第一部 神道にみる日本の思想
大阪市立阿倍野市民学習センター あべのベルタ3階 第4会議室
2018年11月17日 10時00分~12時00分
講師:事務局長 吉川貴志
神道を以下の4項目にまとめた。
1.自然崇拝
日本の風土や日本人の生活習慣に基づき、自然に生じた観念。
2.神は人の心にある
惟神(かんながら)の道(神道の別名)
随神道とも書き、神意のまま、すなわち、人の私心を加えない本来の道のことをいう。神代より続いてきた清く明るく直き正しき道に、いささかも手を加えることなく、そのままに従って行動する道。
3.神話
『古事記』、『日本書紀』、『古語拾遺』、『宣命』といった「神典」と称される古典群が神道の聖典とする。森羅万象に神が宿ると考え、天津神・国津神や祖霊をまつり、祭祀を重視する。
4.天道思想
例えば「おてんとうさま」は、人間の悪事に対して、ほかの人間が誰も見ていなくても太陽はきちんと見ているのだから、どんな時でも悪事ははたらかぬべきだと説く。
これらは現在でも日本人が物事を成し考える源である。
(変遷)
5世紀以降に日本に儒教、仏教、キリスト教などの宗教や教えが外国から伝えられた。特に仏教は、神仏習合、本地垂迹説など、仏教に神道を取り込む試みを行ってる。また、儒教については17世紀に山崎闇斎が朱子学と神道を結びつけ垂加神道を唱える。これが後に尊王思想を支えることとなる。
18世紀には中国の学を尊崇し「皇国の学」を軽視する儒者への批判を展開し、日本の「学(古典)」が中国の儒学に拮抗ないし凌駕する存在であることを主張する国学が生まれる。
このように「神道」は思想として常に根本に据えられていた。